2014/09/19(金) AICS牧野チーム-CPS セミナー
- 日時 2014年9月19日(金曜日) 13:30〜15:30(位)
- 場所 神戸大学 惑星科学研究センター(CPS)セミナー室(申込不要)
- 講演者 富田 賢吾 氏 (プリンストン大)
- タイトル 星形成過程非理想輻射磁気流体シミュレーション:星周円盤の早期形成
- 概要 原始星と星周円盤の形成過程において、磁場による角運動量はもっとも支配的な物理過程の一つである。特に近年、この磁場による角運動量輸送の効率が高すぎるために星形成過程の初期に星周円盤が形成されない、所謂magnetic braking catastropheという問題が数値シミュレーションによって指摘されている。しかしこれらの研究は理想MHD近似の下でなされたものであり、実際には星形成中の分子雲の電離度は非常に低いため、オーム散逸や双極性拡散といった非理想MHD効果による磁場の散逸が発生する。これらの非理想MHD効果は磁場を高密度領域から外へと輸送し角運動量輸送を抑制するため、星周円盤の形成に重要な役割を果たす。本研究ではオーム散逸と双極性拡散の二つの非理想MHD効果を取り入れた3次元輻射磁気流体シミュレーションを行った。その結果、これらの両方の効果を考慮することでファーストコア(星形成過程の初期に形成される過渡的な準平衡天体)のほぼ全域において強い磁場の散逸が発生し、角運動量輸送が著しく抑制され回転する星周円盤が星形成過程の早期に形成されることが分かった。この円盤はファーストコア段階では半径5AUと小さいが、その後のガス降着により大きな円盤へと成長すると期待される。
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